Q.生物講師、大堀求とは!? A.ここをクリック!

生物の勉強法 第6話 「ひらめき力を鍛えよう(その1)」

第3話の※1では「タンパク質は基本的に水溶性だ」と説明したね。

そういえばそんな話がありましたねえ。

さて、ここで問題です。

き、きたぁ~

脂溶性のタンパク質の例を答えよ!!

ええっ? そんなの習ったこと・・・

おっと「習ったことないからわかりません」という思考はダメって言ったよね。そういう思考は即刻捨てること。さて、ではどう考える?

ええっと、タンパク質、タンパク質・・・

 タンパク質自体を思い出すというより、細胞中、体液中に「どんなものがあったか?」「どんなことがおこなわれていたか」を思い出してみよう。例えば細胞の中には・・・

あっ、細胞骨格がありましたね。それらには微小管・中間径フィラメント・アクチンフィラメントがあって・・・あっそうか、微小管はチューブリン、中間径フィラメントはケラチン、アクチンフィラメントはアクチンでできていて、これらはタンパク質でしたね。

そうそう。タンパク質が3つ見つかったね。
では次。細胞の中ではどんなことがおこなわれている?

ええっと・・・あっ、解糖系がありましたね。解糖系は
グルコースが2分子のピルビン酸になって・・・

そうそう、いい調子。
グルコースはC6H12O6、ピルビン酸はC3H4O3だから・・・

だから・・・あっ、Hが減っている。つまり脱水素酵素がはたらいている。で、脱水素酵素は「酵素」なんだからタンパク質ですね。

よし、また1つ見つかったね。その調子でどんどんタンパク質を挙げていこう。細胞の中には核があって・・・

ええっと、核の中では・・・あっ、DNAの複製がおこなわれていて、これにはDNAポリメラーゼが作用している。これも酵素だからタンパク質だ!!

そしてそのDNA自体は〇〇〇に巻きついていて・・・

あっ、ヒストンだ。ヒストンもタンパク質でしたね。

いい調子、いい調子。

そうだ、核の中では転写もおこなわれていて、ここではRNAポリメラーゼがはたらいている。これもタンパク質。あっ、翻訳をおこなうリボソームもタンパク質を含んでいる。おお~、どんどん出てくる~♪

では細胞の外に目を移そう。体液中、血しょう中にはどんなものがあった?

ええっと、血しょう中には・・・あっ、インスリンとかのホルモンが存在しますね。

そうだね。第2話で説明したけれど、タンパク質が成分になっているホルモンはたくさんあったね。
他にはどんなものが血しょう中にある?

あとは・・・あっ、抗体だ! 抗体は免疫グロブリンというタンパク質でしたね。

いいね~。それから血液中で起こる現象を生物基礎で習ったよね?

血液中で起こること? あっ、血液凝固ですね。そうか、フィブリノーゲンだ。これもタンパク質ですね~♪

いいね~、いい調子。血液凝固に関する物質はフィブリノーゲン以外にもトロンボプラスチンやプロトロンビンなんていうものもあるね。どちらもタンパク質だ。それと血しょう中にはアルブミン(※2)というタンパク質もある。さらに消化管に分泌される消化酵素もタンパク質だ。

これだけ挙げればもういいですよね。じゃ、また何かあったら・・・

まだ帰らないの~!
まだ重要なタンパク質があるでしょう?

え、まだあるの?

そうだな、ヒントは・・・ナトリウムやカリウム・・・

あっ、ナトリウムポンプ!

そうそう、それ。ナトリウムポンプの正式名称はナトリウム・カリウムATPアーゼだ。で、ナトリウムポンプはどこにあるんだっけ?

細胞膜! あっ、そうだった。細胞膜には他にもチャネルや担体、そして受容体がありましたね。で、これらはみんなタンパク質!!

正解。さて、ずいぶんタンパク質が出てきたね。これでやっと本題に入れる。

あっそうか、これでやっと本題か・・・

これまで出てきたタンパク質のうち、脂溶性のものはどれ?
さて、どう思考して解答を導き出したらいい?
よ~く考えて。

むむむ・・・よ~く考えて・・・

そうそう、集中して・・・

全集中・・・

わっ、ぺっちゃんこ。

だ、だめです。わかりません。しかも戻らなくなっちゃった・・・

じゃ、そのままでいなさい。
ではヒント。血しょうの成分はほとんど水だね。で、そうした血しょう中にあるホルモンなどは水に溶けた状態で存在するんだ。つまり、まわりが水であるようなところに存在するタンパク質は水溶性だ。ということは・・・

見えた、隙の糸!!
まわりが油であるようなところにあるタンパク質は脂溶性!

ならばまわりが油なところってど~こだ?

まわりが油? 脂肪・・・? 

隙の糸は切れたようだな。
いいかな? 生物で受験する人が「油」と聞いたら出てこなければいけないもの、それは細胞膜だ!!

あっ、そうか、リン脂質ですね。

そのとおり。下の図を見てみよう。

知ってのとおり、細胞膜の断面図だ。リン脂質二重層にナトリウムポンプ・各種チャネル・各種担体・各種受容体などのタンパク質がはまり込んでいる。これらタンパク質を総称して膜タンパク質というんだ。
ところで、リン脂質のリン酸基の部分が親水性、そしてリン脂質の脂肪酸鎖の部分が疎水性になっているというのは知っているね? 

そ、そうか、膜タンパク質のまわりは油みたいなものですね!

そのとおり。まわりが疎水性なので、こんなところに存在できるタンパク質はやはり疎水性、つまり脂溶性のはずだ・・・と、こんな感じに思考して解答を導き出せばいいわけだ。
というわけで、「脂溶性のタンパク質の例をあげよ」の解答は「膜タンパク質」だ。

なるほど、「脂溶性のタンパク質の例」なんて覚えていなくても、その場で考えて出してくればいいんですね。

そう。自分が持っている知識どうしをくっつけて新しい知識を作り出すようにするんだ。最初は時間がかかる。けれど練習を積めば瞬間的にできるようになってくる。そうなったとき、これを「ひらめき力」というんだ。ひらめき力を体得すれば暗記量をぐっと減らすことができるんだ。

 というわけで「生物の勉強法 第6話 「ひらめき力を鍛えよう(その1)」でした。大堀の参考書「大堀先生 高校生物をわかりやすく教えてください!(上下巻)」(学研)には、この「ひらめき力」の体得法が他にも書いてあります。旧課程用ですが、新課程でも十分に使えます。そして代ゼミの夏期講習「大堀の正しく理解する生物」では、やはりこの「ひらめき力」をバンバン鍛えていきます。受講するぞ~という学生さんたち、楽しみにしていてくださいね

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

代々木ゼミナール生物講師。

目次